先日の「恥じらい」のお話しに続き、今度は「恥ずかしさ」のお話です。
あなたは日々の生活で、こんな恥ずかしさを感じることはございませんか。
・本当は思うところがあるけれど、言うことが恥ずかしい
・好きな服装やお化粧をしたいけれど、周りから浮きそうで恥ずかしい
・女性らしい言葉遣いに改めたいけれど、何か指摘されそうで恥ずかしい
・新しいことに挑戦したいけれど、失敗するところを見られるのが恥ずかしい
・やってみたいことがあるけれど、それについて他人に何か言われるのが恥ずかしい
これらは、奥ゆかしさからの恥じらいではなく、周りの目を気にしてしまうときに起こる恥ずかしさです。
恥ずかしいという感情を持ってはいけないということではありません。
感情とは自然にわき起こるものですから、否定しては自分が苦しくなってしまいます。
「本当は~したいけれど」恥ずかしいという感情になった時は、自分の心を見つめる良いチャンスであるというお話しです。
人生の中では、恥ずかしいと感じる経験はたくさんあるものです。
その中で周りの目を気にする心を育ててしまうのは、例えばこんなエピソードです。
・女性同士の友人関係(とくに学生時代)で培われやすい「目立つものは叩かれる」「同調していれば安心」という価値観は、周りの目を気にし、違うことを恥ずかしく思う心を増長させてしまうものです。
小学校や中学校に始まり、社会に出た後の職場でさえもそのような空気が作り出されることがあります。
・幼いころは何も考えずに挑戦できていたのに、たくさんの失敗を重ねていくうち、失敗をすることに恥ずかしさを覚えることもあります。
失敗をして怒られたり、けなされたり、笑われた思い出が色濃く残り、失敗をする自分はダメなのだという思いを強く感じるようになるのです。
そのうち、失敗をできるだけ隠したり、挑戦することをあきらめるようになることもあります。
周りの目を気にする心は、周囲の環境とその時感じた自分の感情が主となってじわじわと形作られていきます。
周りと違う自分や失敗をする自分がダメなのだと思い込んでしまい、外にそれを見せないよう努力している状態です。行き過ぎると、とても疲れてしまう心の有りようです。
このような感情に振り回され、心の疲れやモヤモヤを感じているとしたら、 ぜひ今の自分の状況や心を見つめ、いたわってあげてください。
周りを気にしすぎて疲れてしまった心をいたわるための3つの方法を挙げます。
【1】現在の時点で、同調することを強要するような環境や、失敗をすべて笑われるような環境に身を置いている場合、一番望ましいことは環境を変えることです。
環境を変える方法は、自分が活動する場所を変えるという大きなものもありますが、付き合う友人を変えるということでも十分です。
もしすぐには動けない場合も、今いる環境は非常に狭いもので、外には果てしなく広い素晴らしい世界が広がっていることに目を向けてください。
また、自分の意思で、いつでも外の世界に飛び立ってかまわないという認識を持つことが大切です。
【2】いい人やできる人を演じない自分、等身大の自分のままであっても、十分に素晴らしいのだということを認識してください。
自分が本当に考えていること、したいと思っていること、それがもし周りと違っていたとしても、そのままでいいのだと肯定してあげましょう。
苦手なことがらがある自分も、そっくりそのまま認めてあげましょう。
周りに合わせて考え方や行動を変えたところで、実際に周りがどう思うかは操れません。
同調することを好く人もいるし、好かない人もいる。
挑戦し失敗した人の勇気をたたえる人もいるし、あざ笑う人もいる。
他人の価値観はさまざまですし、心の中で何を考えているかはさらに分からないものですから、そこにすべて合わせていくことは不可能です。
それならば、もとの自分のままで良いと思いませんか。
相手の立場に立って考え、それにふさわしい発言や行動をすることで、相手に好かれようとする(嫌われないようにする)ことは、素晴らしい能力の一つです。
ですが、周りと考え方や行動が違っていたとしても、自分の価値には全く傷がつかないのだということをしっかり認識することは、心をいたわる一つの方法です。
【3】自分が起こした恥ずかしいことを、一番気にするのは自分自身です。
自分の起こした行動について、周りは案外気にしていないということは良くあることです。
みな、自分自身のことは大きくとらえがちですが、他人のことにはさほど関心を抱かないものなのです。
例えば自分が何か目立つことをしたり、過ちを犯したとして、そのことについて他人が四六時中考えていることはありません。 全く気付いていない人さえいるのです。
とすると、一瞬の恥ずかしさなど気に病むべきものではないと思いませんか。
恥ずかしいと思うことは自然なことです。そして、恥ずかしさを引きずるのは自分自身だけです。
ならば、恥ずかしかったという事実は認めて、その後はさっと心を切り替えてしまうことが、心にとって一番優しい方法なのです。
そして実際にこの方法で周りや自分に不利益が及ぶことは全くありません。
そのままの自分で居て良いのだというふうに自分を認めることが出来るようになると、周りの目を気にしすぎて疲れたり、恥ずかしく思う気持ちが少しずつ減ってきます。
そして、何か一つだけでも、周りの目を気にせずに堂々と行動できたとしたら、とても気持ちが良いと感じるでしょう。
周りに合わせるのではなく、自分の考えたとおりに人生を生きたからこそ得られる快感です。
また、自分の考えるままに生きておりますと、いつの間にか周りには自分らしく生きている人ばかりが集まってくるものです。
のびのびと明るく生きる姿に感化されて、周りが変わっていくこともあるでしょう。
とても心が軽やかで、幸せな姿に思えませんか^^